喫茶ラプラスの科学処方

喫茶ラプラスの科学処方

連載小説『ラプラスの科学処方』#3

第3話:脳は三日坊主が好き 一 「はあ……私、本当にダメな人間なんです」 木曜日の夜、喫茶「ラプラス」の扉を開けて入ってきたのは、スーツ姿の若いサラリーマン・拓海(たくみ)だった。彼はカウンター席にドスンを腰を下ろすと、頭を抱えてテーブルに...
喫茶ラプラスの科学処方

連載小説『喫茶ラプラスの科学処方』#2

第2話:対流とすれ違いのサーキュレーター 一 「はあ、もう嫌になっちゃう。いくらエアコンをつけても、足元は冷えて冷え性になるし、頭の方ばかりぼうっと熱くて仕事に集中できないんです。かといって設定温度を下げると、今度は夫が『寒すぎる』って文句...
喫茶ラプラスの科学処方

連載小説『喫茶ラプラスの科学処方』#1

第1話:エントロピーは片付かない 一 夕暮れ時の住宅街に、ぽつんと灯る暖色の看板がある。木製の扉に真鍮のプレートで『Café Laplace(ラプラス)』と掲げられたその店は、一見するとどこにでもある落ち着いた喫茶店だった。だが、この店を訪...